シューベルトとウゴルスカヤ

投稿者: | 2020年10月24日

シューベルトは最も好きな作曲家の一人です。

もしかすると、一番好きかも、と思う時が多々あります。

主に聴くクラシック音楽の作曲家は、ルネサンス期のモンテヴェルディからストラヴィンスキーあたりまで幅広いのですが、メインとなるのはオーソドックスですが、バッハからブラームス、チャイコフスキー、ドヴォルザークあたりまでですかね。

その中でもシューベルトの音楽を聴くと、なんていうか、非常に美しくもありながら、奈落の底に落ちていきそうな瀬戸際を歩いている気分になるときがあります。

ピアノ五重奏曲「ます」を聴いている時はそういうことはあまり思わないのですけれども、後期のピアノソナタ、弦楽四重奏曲「死と乙女」、「ロザムンデ」、ヴァイオリンとピアノのための幻想曲、3つのピアノ曲など、彼の人生の終盤に作曲された小編成の作品にそのような感じを受けます。

私にとって、非常に魅力的で愛すべき、しかしながら畏れを抱く音楽です。

なので、自分の精神状態があまりに低い時は、聴くのにためらいを感じ、ついついモーツァルトなどに逃げてしまうことがあります。

今日は精神状態がいいので、シューベルトを聴きながらこの文章を書いています。

最近のお気に入りのアルバムは、ディナ・ウゴルスカヤ(Dina Ugorskaja)が奏でるシューベルトのピアノ曲集です。

(彼女の父親は高名なピアニストのアナトール・ウゴルスキ (Anatol Ugorski) )

大変残念なことに、彼女は昨年49歳の若さで逝去しました。シューベルトよりは長生きしましたが、現代ではあまりに早い逝去年齢なことは間違いありません。

その彼女が最後に録音したアルバムには、以下の曲が収められています。

  • ピアノ・ソナタ第21番変ロ長調 D.960
  • 3つのピアノ曲 D.946
  • 楽興の時 Op.94, D.780

ピアノの哲学者(philosopher at the piano)」と称された彼女のシューベルトは、深く、優しく、それでいて哀しい。

自分の余生が短いことを知っていたのでしょうか。一音一音噛ながら弾いているように感じます。

参考リンク: amazon, Tower Record

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